事務局より

2011年4月7日

成果報告会を開催しました

成果報告会3月4日~5日、3つの実践地域合同での成果報告会を川場村で行いました。
初めに林野庁及び事務局からの挨拶で本事業の位置づけについて話し、里山林の資源を循環させつつ有効に活用することで自立的・継続的な取り組みの確立を目指すものであること、里山林を活用した生業の再構築を目指す取り組みであることを確認しました。

<実践地域からの取り組み報告>
春蘭の里実行委員会からは、恵み豊かな里山林づくりにむけた きのこ調査の報告、ツーリズム事業と里山林再生を結びつけるプログラム企画に向けた農家民宿調査についての報告を行いました。
きのこ調査は、研究者と春蘭の里メンバーが連携したことにより、学術的裏付けがあり、かつ恵み豊かな里山林の再生と地域の実利に繋がる調査に着手することができ、きのこを指標とした適切な施業・管理手法の確立に向けて今後も調査を継続する必要があることを確認しました。
次に、適切な施業を実際に地域の中で展開していくためには、企業等多様な主体との連携が必要であるという視点にたち、各農家民宿の人材、山や田畑、庭、建物などを、外部者と協働で整備し魅力を高めていくための資源として調査した内容を報告しました。調査の結果、農家民宿の個性と多様性が明らかになり、日々の仕事や生活の延長上にプログラムを企画することで地域の魅力を活かし高めながら整備を推進していく方法を提案しました。さらに、今ある農家民宿の魅力を適正に情報発信していく方法として、「人」や「人の思い」に焦点を当て、都市部の人と親戚関係を築くような農家民宿のコンセプトについて提案し、広報パンフレット案の提示を行いました。 (*詳細)

飯豊町からは、12000haという広大な財産区有林をもつ中津川地区において、ナラ枯れの急速な拡大という危機に直面し、健全な里山林を再生するために喫緊に進めなければならない伐採と更新、伐採木を利用した木質ペレット製造等の産業創出の取り組み、伐採後の森の再生、ナラ枯れ対策に関する情報収集等を実施したことを報告しました。また、当地区は、長い歴史を通じて里山林を生活の拠り所としてきた地区であり、里山林の危機は地域の危機とも結びつきます。そのため、あらためて、財産である森林を地域経済の再生にどうむすびつけていけばよいか、130戸の世帯が各家と地域の将来についてどう考えているのか等について、村づくり協議会の若手役員が全戸対象に聞き取り調査をし、地区民の意志を土台とした将来ビジョンの作成に向けて動きだしたことを報告しました。 (*詳細)

川場村からは、里山林の林床を活用した薬草等の半栽培と商品開発の実証実験、伐期を迎えた森林資源を村の意志と裁量で利用するための計画検討、エネルギー自給率の向上に向けた薪需要基礎調査、里山林を観光資源として活かすための整備と散策コースづくりの取り組みについて、報告しました。
林床での薬草等半栽培の取り組みは、将来的には村内に波及させ、収穫物を商品化することにより、里山林の経済的価値の再生をめざしています。地域材の活用については検討段階ですが、活用法の1つである薪の需要基礎調査では、村民から丁寧に話を聞くことで、利用促進のために必要な仕組みや条件について多くの示唆を得ることができた旨の報告がありました。
観光資源としての里山林活用については、門前地区において、環境生態学の専門家の助言をきっかけに、まちづくり委員らが現地ワークショップを繰り返し行い、今まで見過ごしていた在来植生や地域資源の価値を見つめ直し、それらを活かしたコースづくりに取り組んでいる旨の報告がありました。(*詳細)

尚、それぞれ今年度の取り組みに加え、試行活動を経て作成した里山林整備指針について説明しました。
次年度は、指針に基づき取り組みを継続するとともに、その内容を検証し、自立的・継続的な実行体制に向けて必要なことを明らかにしていく予定です。